導入事例
2023年度
中東向けエネルギー回収装置DeROs®、ポンプ類 稼働開始
当社がサウジアラビアの海水淡水化プラント向けに設計、製作し、国内プラントメーカーに納入したエネルギー回収装置DeROs®及びポンプ類一式が2023年1月より稼働を開始しました。この海水淡水化プラントは、造水能力10,000m3/日を有し、国内プラントメーカーが開発した低圧多段高効率海水淡水化システムに、当社のDeROs®とポンプ類がパッケージで採用されました。DeROs®は、世界最高水準のエネルギー回収効率と逆浸透膜供給水の塩濃度変化が非常に少ないことが特徴で、ポンプの動力低減に寄与します。ポンプ類は、逆浸透膜淡水用横軸多段形式ポンプをはじめ、14台の高効率ポンプが使用され、DeROs®との組み合わせにより省エネルギーかつ温室効果ガス排出量削減に貢献します。当社は「パーパス『水と空気を通じて豊かな未来社会を創造する』」に則り、海水淡水化ビジネスに取組んでまいります。今回の海水向け海水淡水化システムへの稼働集結を皮切りに、中東地域をはじめ、インド・アフリカ地域などの水問題解決に貢献していく所存です。
エネルギー回収装置DeROs®
北海道空知(そらち)総合振興局 福野揚水機場
総延長80キロメートルにおよぶ北海道一の長さを誇る北海幹線用水路の支線にある福野揚水機場と福野2揚水機場は、北海道空知管内の南部にある南幌町に位置し、地域の農業揚水の供給を目的として福野揚水機場は1983年に、福野2揚水機場は2004年に設置された。
今回、設備の老朽化に伴いポンプ設備の合併・更新を行った。
特徴
2機場合併により、設備は大口径ポンプ1台に集約され省力化を図っている。またポンプ設備更新に伴い、形式を横軸斜流ポンプからメンテナンス性の良い両吸込渦巻ポンプを採用している。
ポンプの制御方法はサージタンク(吐水槽)の水位を一定に保つため、制御器・抵抗器により回転速度制御を採用している。金属抵抗器の可変速段数は20ノッチとすることで細かな速度制御が可能となり、需要量に追従した運転を行っている。
仕様
口径700 mm×700 mm両吸込渦巻ポンプ×1台 53.34 m3/min×10.0 m×132 kW(電動機駆動)
両吸込渦巻ポンプ
東京都下水道局 吾嬬ポンプ所
吾嬬ポンプ所は、東京都墨田区立花五丁目6番2号に位置し、墨田区八広、東墨田、東向島、京島の雨水および汚水を吸揚し、雨水は旧中川へ放流し、汚水は砂町水再生センターへ圧送する施設である。今回、ポンプ所内雨水ポンプ設備、汚水送水設備、制水扉設備の設計、製作、据付を行った。
特徴
雨水ポンプ設備には、近年に多発する集中豪雨などによる急激かつ大量の雨水流入水に対し、あらかじめ全速で運転することで速やかな排除が可能な先行待機(全速)形立軸斜流ポンプを採用している。
また、東京都下水道局殿との共同研究目標を達成したポンプであり、3時間の気中運転が可能なポンプである。汚水ポンプ設備には、メカニカル式無注水軸封方式を採用し、水撃対策用に独立式フライホイール装置を設けた無閉塞性に優れた吸込スクリュー付渦巻ポンプを採用している。
また、送水量に柔軟に対応できるようVVVF装置による回転制御が可能となっている。
制水扉設備では、各制水扉の開閉操作により、緊急時の井内浸水防止および流量調整、フラッシュ洗浄、滞留水排水を可能としている。
仕様
口径1,650 mm先行待機(全速)形電動機 直結立軸斜流ポンプ×3台 350 m3/min×30 m×2,380 kW
口径300 mm吸込スクリュー付渦巻ポンプ×2台 11.4 m3/min×57 m×220 kW
口径200 mm吸込スクリュー付渦巻ポンプ×2台 5.7 m3/min×57 m×110 kW
雨水ポンプ室全景
大阪府東部流域下水道事務所 新家ポンプ場
新家ポンプ場は大阪府八尾市に位置する。八尾市および東大阪市の雨水を楠根川に排水するポンプ場である。
今回更新を行った3、4号雨水ポンプは、1980年供用設置開始から運用されており、老朽化対策および雨水ポンプの予備化事業として設備の更新を行った。
特徴
排水能力増加による流れ解析の検討およびポンプ室梁補強工事が含まれており、梁補強用足場はクイックデッキ工を採用した。また、排水能力も向上させたことで将来の1台予備化に繋げた。
仕様
口径1,800 mm立軸斜流ポンプ×2台 483.6 m3/min×8.3 m×930 kW(ディーゼル機関駆動)
雨水ポンプ設置状況
東京電力リニューアブルパワー株式会社
信濃川発電所 納 主給水ポンプ更新
本ポンプは水力発電設備に設置されているタービン水車の軸受へ冷却目的で給水するための機器であり、1939年運用開始から、これまで1度更新しており今回で2度目の更新として、2台を2023年3月に納入した。本発電所は一般の水力発電所の中でも、非常に高い稼働率を有しており、納入した2台のポンプで全5基の水車軸受の冷却を請け負っているため、非常に重要な設備として高い信頼性を要求されている機器である。
特徴
水力発電所には珍しい2床式の立軸斜流ポンプを採用し、水力発電所特有の非常に狭い設置スペースに対応できるような形状とされている。ポンプと電動機の更新であったが、その他流用する基礎や吸込・吐出配管などには劣化が進んでいたため、基礎の再設定や配管の取合い方法など現地調査や打合せにより状況を確認して、綿密に検討のうえ、現状態に適した据付要領を提案し、無事更新工事を完了することが出来た。
仕様
口径300 mm 2床式立軸斜流ポンプ×2台 18 m3/min×20 m×90 kW(電動機駆動)
立軸斜流ポンプ
東京都下水道局 清瀬水再生センター
清瀬水再生センターは東京都清瀬市下宿3-1375に位置し、東村山市・東大和市・清瀬市・東久留米市・西東京市の大部分、武蔵野市・小金井市・小平市・武蔵村山市の一部を処理区域とし、計画処理面積は、8,042haを有する。センター処理水は柳瀬川に放流されている。今回、当センター水処理3-1系反応槽設備に再構築に伴い、好気槽への送気を目的として、送風機6号の設計、製作、据付を行った。
特徴
本送風機は、経済産業大臣並びに日本機械工業連合会が優秀な省エネ機器として受賞したAM-Turbo®送風機を採用している。この送風機は、高効率化を実現しており、強制給油装置と水油配管が不要、軸受はころがり軸受といった特徴を持つ。日々のランニングコストは大きく削減され、保守管理労力も大きく軽減されるものとなっている。
仕様
口径700/600 mm電動機直結 鋳鉄製片吸込多段ターボブロワ(転がり軸受) 540 m3/min×70.0 kPa×800 kW
送風機室全景